オプション検査の選び方
機能評価認定施設で行う人間ドックの基本コースは、人間ドック学会と健保連が定めた項目をすべて満たしており、上部消化管X線検査(いわゆるバリウム)などを含む検査パックになります。
その他に、全員に必要ではないが特定の性別や年代では行った方が良い検査が、オプション検査として用意されています。
どのオプションにするか迷っている方は、以下を考慮して選んでみてはいかがでしょうか。
身内に病気になった方がいる
脳ドック、心臓ドックなどは、身内にそれらの病気になった人がいる場合や、自分自身の症状に疑いを感じた人が受けるのがおすすめです。まずは基本コースを選び、そのうえで身内に大腸がんの人がいた場合には、便潜血検査だけでなく大腸内視鏡検査を選ぶといった、自分に合わせた選び方がよいでしょう。

年齢別に追加しておきたいオプション検査
30歳代
30代はまだ病気になる可能性が低い年代ですが、女性系のがんは早い年齢でも発症することがあります。30歳を過ぎたら定期的に乳がん検診を受けるようにしましょう。
40歳代
40歳代にさしかかると生活習慣病や慢性病の症状が現れ出します。飲酒や喫煙をする方は、肝臓や肺にかかっていた負担のツケが回ってくるのもこの世代です。
また、女性の場合、閉経を迎えると女性ホルモンの低下に伴い骨の量が急激に減少するため、若いうちに自分の骨の状態を知っておくことが重要です。
男女共通:大腸内視鏡検査、胸部CT検査、喀痰細胞診検査
女性:マンモグラフィ、乳房超音波検査、子宮頚部細胞診、骨密度測定
50歳代以上
50歳代以上になると、定期的に継続して検査を受け続けるのが重要となります。特に、がん、脳卒中、心臓病についてしっかりとチェックしましょう。
また、男性は前立腺がんが増える時期のため、PSA(腫瘍マーカー)検査をおすすめします。
男女共通:大腸内視鏡検査、胸部CT、喀痰細胞診、心臓ドック、脳ドック(MR検査)
男性:PSA検査(前立腺がん)
女性:マンモグラフィ、乳房超音波検査、子宮頚部細胞診、骨密度測定
部位別に気になる方は
胃内視鏡検査
年齢を重ねるとともに気になるのが胃がんです。ピロリ菌検査も同時に行えます。
- へリコバクターピロリ菌検査
- ペプシノーゲン検査(胃粘膜の萎縮を調べます)

脳ドック(MR検査)
50歳以上の方は、一度は受けられることをお勧めします。脳の断面や脳血管を診てもらえます。施設によっては頸動脈超音波検査を合わせて行ったり、簡易認知機能検査なども行っています。

子宮がん検査
子宮がん検査で、経膣超音波検査やHPV(ヒトパピローマ)感染検査を実施している施設もあります。
腫瘍マーカー検査
前述のPSA(前立腺腫瘍マーカー)検査に代表される、血液によってがんを調べる検査です。下記に掲載した項目以外にも、男性セット、女性セットなど複数の項目を組み合わせている施設もあります。
- 大腸がん
- 肝臓がん
- 膵臓がん
- 卵巣がん 等
動脈硬化を調べる検査
血管の働きや機能、血管壁の硬さや厚さなど、動脈硬化について調べます。
- 血管機能検査
- 血管内皮機能検査
- 血圧脈波検査
- 頸動脈超音波検査
その他
- 内臓脂肪CT検査(ファットスキャン)
- 甲状腺機能検査
- PET検査(陽電子放射断層撮影画像診断)
※このページでは代表的なオプション検査をご紹介しています。ご紹介している以外のオプション検査を行っている施設もあります。また、ご紹介している検査はすべての健診施設で行っているわけではありません。詳しい検査の内容はご自身が受診する施設へお問い合わせください。