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第8回 健保連賞

 健保連賞 『初めて自分事になる健康』

  村上 満希子さん(大阪府)

人は自分の事は後回しにしがちだ。
本当に自分事になると実感しなければ、自分の健康事情と向き合う機会はあまりない。

叔父さんがチェーンスモーカー、そして酒豪だった。
絶対ガンになるよと家族から言われていて、なったらその時とお酒を飲みながら言っていた。

数年前、叔父さんは喉を詰まらせ、病院に行き検査の結果、ステージ3の食道がんだった。
叔父さんは食道を摘出し今は禁酒状態、それどころか牛乳もゆっくり飲めるまでに回復している。
それを目の当たりにしていた。

私は貿易関係の仕事に就いている。
2018年の台風21号の影響を大きく受け、特に西日本は予想以上の被害を受けた。

仕事もいつもトラブル対処に忙しくなった。
台風が関西に直撃する時は、だいたいは夜の間にピークが過ぎている。
全く想定外の出来事だった。
ずっと慢性的に忙しい職種だし、何かあれば予定を詰めてしまうタイプだ。

仕事が忙しい、急ぎの予定がある、まだ若い。
健康も気にはなるけれども、〝まだ大丈夫、次の機会に〟と思ってしまう。

今までの健康診断ではA判定。
視力が落ちたり、体重の増減だったり、小さな振れ幅の中で問題ないと毎年思っていた。
周りに元気だねと言われて、風邪もひかない。
仕事が忙しい為に、健康診断を受けに行く時間ももったいないとさえ感じていた。
そんな私が昨年、35歳を迎えたことにより初めて受けた人間ドックで、胃と大腸に再検査の通達が来た。

胃はポリープの可能性、大腸は血便だった。
35歳もなれば、何か引っかかることもある。
毎日栄養ある食事を徹底していると自分で自負するわけもない。
私の祖母が大腸ガン、叔母が大腸一部摘出といった、家系も大腸ガンであること、私自身便秘症であることから、大腸の検査は早めに受けようと思ってはいたものの、後回しにしていた。

その割に、再検査の通知が来たとき、急に怖くなってしまい、初めて自分事となった。

胃カメラ、大腸の内視鏡検査をしてもらうことになった。

何かあったらどうしようと当日まで気持ちがとても重く、不安ばかりが過ぎていた。
家族は悲しむだろう、仕事もどれくらい休むのだろう、これから沢山やりたいこともあるのに、と不安に駆られていた。

内視鏡検査が終わり、麻酔から目が覚めたあとに、看護師さんから、ポリープが2つ見つかったといわれた。

それは切除して、特に問題ないですよと優しくいわれた時に、本当にほっとした。
胃の再検査もポリープではなく、ストレスにより胃炎が少し見られるためにあまりストレスをため込まないこと、刺激物や食べ物に注意するよう診断された。
自覚症状はあったが、そのままにしていた。

心配症の母にはあまり細かいことは言っていなかった。言うと心配するからだ。
でも私自身も安心したうえで、電話で結果を告げると本当によかった、と安心していた。
35歳になっても、いつまでも娘だし、母は母である。
家族みんな心配してくれた。

結果特に問題がなかったものの、私がストレスで胃炎を起こしていると分かった事が、私自身の生活スタイルと仕事を見直すきっかけとなった。
残業を減らし、分業し、声を掛け合って早めに帰宅するようにする。
好きな映画や本を読むようにする。大腸検査も人間ドックを受けて再検査の診断をされたおかげで後回しにしていたが踏み切ることができたのだ。

会社の同期も今回初めての人間ドックだった。

彼女は萎縮性胃炎と言われ、ピロリ菌の検査を受けることになった。
今まで検査なんて、と考えたことのない彼女も自身の健康状態を顧みる機会となったようだ。

いつもの健康診断よりも人間ドックは深く、親身になって先生は指導してくれる。
検査の質も高い為、自分の生活習慣が直接的に表れる。

先生から健康指導をもらってからは、できるだけ歩くように心がけている。
食べるものもカロリーのあるものを控え、あまりストレスをため込まないようにしている。
助けてほしい時は話を聞いてほしいと言うように心がけるようになった。
引っ越しをした事もあってか自分の時間を意識的に持ち、家族との時間を大切にしたいと思いできるだけ実家に帰るようにするなど、一日の時間の使い方を考え直すきっかけにもなった。

人間ドックは自分と向き合い、自分の立ち位置を客観的に示すバロメーターだ。
今の自分は、昨日までの自分が食べてきたもの、生きてきた生活習慣の結果だから。
最近は高齢、若齢関係なく、生活習慣病も増えている。
女性に特に多い乳がんは、4人に1人と言われているほどだ。

車も車検に出すように、体も検診とメンテナンスが必要だ。

人生を最後まで自分らしく生きていきたいと思うなら、絶対に健康は不可欠。
体が資本なのだから、せっかく一回きりの人生を楽しめる元気な自分でいたいと思う。
そう思えるようになったきっかけは、人間ドックを受けたあの日のおかげである。