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第5回 最優秀作品賞

 最優秀作品賞 『人間ドックが好きです』

  藤﨑 季晃さん(鹿児島県)

私は一年に一度欠かさず人間ドックを受診しています。

私は人間ドックが好きです。でも、そう言うと大抵の人は不思議な顔をします。「面倒だよ」「血を採られるのが嫌」「バリウムが飲みづらい」「胃カメラは辛い」「病気でもないのに高いお金を払うなんてばからしい」こんな言葉をよく聞きます。私も前は似たようなことを思っていました。十年前に受けた人間ドックで胃癌が見つかるまでは。

私が胃癌になったのは三十代半ばのことでした。その頃の私はまだ独身で健康に関する意識も低く、仕事帰りに毎日のように飲みに行くような生活をしていたくせに、自分だけは重い病気にはかからないだろうと過信していました。人間ドックを受けていたのも職場の助成金があり、周りの人がみんな受診するからといった消極的な理由でした。

 そんな私でしたから、癌が見つかったときはとてもショックでした。癌といえば死ぬかもしれない病気です。あの時は情緒不安定になり、初めて死を意識して、色々なことを考えました。死にたくない。なんで私が癌になんて。両親に心配をかけたくない。親より先に死ぬのは親不孝かな。結婚していなくてよかった。結婚していればよかった。色々なことが私の頭をよぎりました。あんなに真剣に物事を考えたのは初めてだったかもしれません。

幸いなことに早期で胃癌が見つかったので、胃の一部を切除するだけで済みました。手術が無事に終わったとき、入院中に身の回りの世話をしてくれた両親も涙を流して喜んでくれました。その姿を見たとき、生きていてよかった。親孝行しなければなと思いました。主治医の先生には「人間ドックを受けていて良かったね。胃癌は自覚症状が出てからでは遅いからね」と言われました。 

半年に一度の病院の検査と、人間ドックを欠かさず受けました。再発の可能性が高い五年間が経過すると、主治医の先生に「もう大丈夫。でも人間ドックはきちんと受けるように」と言ってもらえました。

人間ドックをずっと受けていて今はこう思っています。人間ドックは、快適な環境で今の健康状態が確認できます。検査結果の数値などの疑問にはすぐ答えてくれます。健康に不安なことがあれば、先生になんでも相談できます。人間ドックの結果が良好ならば、ホッとして嬉しいですし、安心して一年が過ごせます。もし病気が見つかったとしても、具合が悪くなってから病院へ行くより治る可能性がずっと高いはずです。十年前の私のように。

 私は生活習慣を改め、お酒も控えめにするようになり、結婚もして長男を授かり、今年の春には小学生になりました。両親もとても喜んでくれました。少しは親孝行できているかなと思っています。

病気は誰にでも突然やってきます。それは避けることはできません。それでも人間ドックを受けることによって、健康な生活や命を守ることができるのです。それが幸せの第一歩です。

妻と子供に人間ドックの結果を報告しました。「今回は悪いところがなかったよ」「よかったわ。でも結果がよかったからといって、飲みすぎないようにね」「お父さん、よかったね」 二人の満面の笑顔。

 やっぱり人間ドックが大好きです。