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第4回 優秀作品賞

優秀作品賞 『身体の声を聴く』

山石 まゆまさん(神奈川県)

 私が初めて人間ドックを受診したのは35歳の時でした。健康面での不安は全く有りませんでしたが、会社の規定で年に一度の人間ドック受診が義務となったため、同僚3人で一緒に予約してイベント感覚での受診でした。色々な検査項目の中でバリウム検査の苦しさが印象に残っています。検査の結果は異常なし。ドックを終えたら「異常がなかったお祝い」と称して、同僚とご馳走を食べに行くのが恒例となりました。

 30代の頃は、目立った異常もなかったので、結果表に記録される体重が、去年よりも増える事だけを気にして、検診の前になると、暴飲暴食を慎み、運動を心がけるようなりました。「ドックの直前だけそんな事をしても意味が無い」と家族には揶揄されますが、年に一度、昨年と同じ状態にリセット出来る良い機会と私は考えていました。

 40代を過ぎると、少しずつ何かしら問題が見つかるようになりました。送別会等が続いてお酒を飲む機会が多い年があり、その年のドックでは脂肪肝の初期の状態が発見されました。暫くはひたすら飲酒を控えるよう心がけたので、翌年のドックでは「綺麗な肝臓です」と先生に褒めて頂きました。

 また、ある年は子宮筋腫がみつかり、それが原因で重度の貧血になっている事が判明しました。子宮筋腫については婦人科専門医の再検査を受け、良性で大きさも小さいので経過観察となりましたが、貧血については地道に食事での改善を続ける事になりました。栄養士の先生のアドバイスに従い根気よく食事内容に気を遣い数年がかりで基準値内に戻す事が出来ました。

 ピロリ菌が見つかった時には、放っておくと癌リスクが高くなると先生に脅されて、慌て内科を受診し、薬にてピロリ菌を撃退しました。

 40代後半になると、胸や腹に小さなポリープが見つかるようになり、簡単にはリセットできない部分が見つかるようになりました。

 ある年から便潜血が続くようになり、専門医の受診を勧められるようになりましたが、友人から検査方法を聞いて面倒に思っていた事と、仕事の忙しさが重なって放置してしまいました。

 そんな時、知人が癌で亡くなったと知らされました。50代半ばのゴルフが大好きなスポーツマンでした。原因は胃癌。ドックでの再検査の指示が出ていたものの、仕事の忙しさに追われて、病院に行ったのがドックの半年後だったそうで、その時には完治が難しい状態に至っていたとの話でした。

 その話をしてくれたのは会社の同僚で、再検査の指示を二年間放置していると脳天気に話す私の話をたまたま耳にして、私を叱りつつ、目に涙すら浮かべて熱心に話をしてくれました。

 そして、今年の二月に人間ドックを受診した際に、やはり再検査の指示がありましたが、今回は素直に紹介状を持って自宅近くの総合病院に行きました。外科的な手術となり、最低一泊の入院を伴うとの話しでしたので、仕事の調整をして、後日、内視鏡の検査とポリープの摘出手術を受けました。幸い癌は認められず、ポリープ切除のみで済みました。

 術後に看護師さんから聞いた話しでは、ポリープでも長く放置すると悪性に変化する確率が高くなるという話も聞き、今回綺麗にしておいて本当に良かったと感じました。今はとても安心して毎日を忙しく過ごしています。

 日々の生活の中で、仕事でも、プライベートでも、つい頑張り過ぎてしまう事が多く、それは、自ずと自身の身体に無理を強いている事になります。

 そんな身体に感謝の思いを持ち、末永く頑張って貰うためには、身体の声を聴いてやる事が必要だと思います。そして、もし問題があれば出来るだけ早くリセットしてやる事が重要です。

 この、身体の声を聴いてやる為の一つの方法として「人間ドック」は有効であり、これを定期的に受診し、その結果に真摯に向き合う事で、かなりのリスクを回避できると信じています。勿論、日常の生活の中でも自分なりの方法で自身の身体の声を聴いてやる事はとても大切ですが、医療機関での専門的な検査で客観的にチェックする事は重要です。

 人間ドックの受診も今年で十六回目となりました。ドック直前の各種努力の成果もあってか、体重は十六年前の体重と+-2kgを維持しており、高血圧やメタボにも縁がない生活を送っています。

 これからも年に一度は人間ドックを受診し、大切なこの身体と末永くつきあって行く為の努力を続けて行きたいと思います。