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第2回最優秀作品賞

 優秀作品賞 『記念日ドックのすすめ』

橋本 佳代子さん(神奈川県)

細々と商売を営む母は、女手一つで弟、妹、私の三人を育ててきました。
経済的にとても苦しかった我が家、寝る間を惜しんで働いてきた母の姿を見ながら大人になった私たちは、毎日朝から深夜まで働くばかり、何の娯楽も持たない母へ恩返しをしようと話し合い、母の誕生日に旅行へ連れて行くことが恒例となりました。
旅行など殆どしたことがなかった母は、それはもう本当に喜んでくれて、最近では行き先をリクエストしてくるほど楽しみにしてくれています。

そんなある日、テレビをつけると人間ドックの特集番組が放送されていました。
そういえば母は自営業、健康診断はきちんと受けているのかしら?と何気なく聞いてみると、数年前に市の無料健康診断を受けただけとのこと。
しかも無料というだけあって、検査項目は簡単なものだけでした。
私が番組で見たような、小さな腫瘍を見つけるPETも、頭部検査も、婦人科系の詳しい検査も、肝心なものは含まれていません。
丈夫が取り柄の母ですが、さすがに六十代も後半、癌で亡くなっている身内も多いので、私たちは迷わず次の誕生日プレゼントは、“人間ドック”にしようと決めました。

人間ドックは保険適用外ですから、正直とても高額です。
しかし、私たちは三人きょうだい。
三人で協力すれば負担は三分の一、そして元気な母と一緒に旅行ができれば楽しさ三倍です。
私たちの提案に母は最初、「旅行のほうがいい」「どこも悪くないから大丈夫」「お金がもったいない」と渋っていました。
それでも、「いつまでも一緒に旅行がしたいから、だから元気でいて欲しい」という熱い想いを伝えるとちゃんと理解してくれて、頭の先から足の先までフルコースで検査を受けてくれました。
もちろん検査の結果は何の問題もないはず、と安心していました。

ところが・・・
脳に小さなつまり、乳房に影、胃にも影が見えるとのことで、三つの再検査という結果が返ってきました。
予期しない結果に、最初は母も私たちも動揺しましたが、自覚症状のない時期に検査を受けたからこそ、早期発見ができたのだと気持ちを切り替えました。
そして、再検査を受けたところ、手術などを要するものではないとのことで、現在は通院しながら普段どおりバリバリと仕事をしています。

そしてこれを機に、私自身も何年も遠ざかっていた婦人科系の検査を受けました。
その結果は、私もまた母とおなじように乳房に影があるとのことでした。
今は再検査から再々検査となり、その結果待ちですが、もし違和感を感じてから病院へ行っていたら・・・、検査を一年先に延ばしていたら・・・、そう考えるとゾッとします。
母に人間ドックを受けさせて本当に良かった、私自身受けて本当に良かったです。

私たちもそうだったように、検査を受けたほうがいいと頭ではわかっていても、自覚症状がないと「自分は大丈夫」となかなか行動に移せない気持ち、よくわかります。
ですが、大切な人を亡くす悲しみ、大切な人をおいて逝く悔しさを現実に突きつけられてからでは遅いのです。
全ての笑顔は健康あってのこと。
今回私たちは、人間ドックを受けることで多くの人が幸せを手放さずに済むのだと、強く実感しました。
ですから、一人でも多くの人に人間ドックの意義を伝えられるよう、身近な人から自分の経験を話すようになりました。
人間ドックの大切さを知った我が家では、年一回の人間ドックを習慣化させるため、誕生日は人間ドックの日と決めています。

これで家族みんな忘れることはありません。みなさんも、記念日を人間ドックの日にしませんか?